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明日香村の夏を満喫しよう!【明日香村おさんぽガイド】
2022.07.12
日本人が思い浮かべる、ノスタルジックな「日本の夏」
2022年は異例の早さで梅雨が明け、早くも猛暑がやってきました。
Asuka no yado のある、奈良県の明日香村は、春や秋の行楽シーズンの旅行先として人気の高い場所です。
明日香村は周囲を山に囲まれた盆地にありまして、夏場はかなり日差しが強くて気温が高い地域。厳しい暑さのおかげで、夏は閑散期となっています。
それでも、夏の明日香村はここにしかない魅力でいっぱい!
初めて訪れる場所なのに、日本人なら誰しもが思い浮かべる田舎の祖父母の家で過ごす夏休みを思い起こさせるような、光景や体験が待っています。
Contents
日本古来の暮らしと自然に触れる「奥明日香」
奥明日香へ行ってみよう!
明日香村には古代に建立された数々の寺院や古墳、石造物などが集い、歴史深い場所であることは誰もが知っていることでしょう。
大化の改新へとつながる日本初のクーデター「乙巳の変」の舞台となった飛鳥宮跡など、歴史上の重要な出来事が起こった場所も多く、歴史ファンにはたまらない観光地です。
一方、明日香村は古都保存法の特例法として制定された「明日香法」により、かつて日本のどこでも見られたような、豊かな自然に寄り添った暮らしと風土が守られています。
丘陵や水田、森林、川など、自然の地形に沿って作られた集落や昔ながらの日本家屋…そのノスタルジックな情景は、日本人のだれもが思い浮かべる「ふるさと」そのままの姿。
明日香村に訪れた際はぜひ、これらの風土にも触れてみませんか?
米どころ明日香村の棚田へ
一般的に奥明日香と呼ばれる地域は、明日香村南東部にあたる「稲渕集落」「栢森集落」「入谷集落」の三つの集落です。
特に稲渕地区には美しい棚田が広がり、四季折々に表情が変化し、どの季節に訪れても日本のふるさとの風景が魅力的です。
初夏は田植えの季節。6月上旬には田に水が張られ、中旬~下旬に田植えが行われます。
7月上旬までは稲もまだ小さく、棚田に張られた水が空を映す幻想的で美しい風景を写真に収めようと、たくさんの人が訪れます。
特に夏は、早朝や夕方のマジックアワーの時間帯が大人気。宿泊される方なら比較的簡単に訪れることができる場所ですので、ぜひ訪れてみてください。
- 稲渕棚田の看板。ここには公衆トイレと小規模の駐車スペースがあります。
- 乗合バスの停留所は地元の方専用。バス停の側には勧請縄の「男綱」が掛けられています。
- 「勧請縄」は五穀豊穣と子孫繁栄を願い、悪疫より住民を守るもの。栢森には「男綱」の対となる「女綱」が掛けられています。
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秋には特に必見!稲渕地区の案山子ロード
稲渕棚田の「案山子ロード」。
ここでは毎年秋、9月より案山子コンテストが開催され、約30の大型案山子が飾られます。
田んぼの畔(あぜ)にもたくさんの彼岸花が咲き、この頃が一年を通してもっともにぎわう季節となります。
それぞれの場所は、近くまで車で訪れることができますが、駐車場スペースがほとんどありません。
また、公共交通機関もないため、石舞台古墳あたりからは徒歩で訪れることになります。
徒歩以外なら自転車がオススメですが、棚田は傾斜にあることから、道中は登り坂となります。
電動アシスト付き自転車をレンタルするのがおすすめです。暑さ対策や水分補給を忘れずに、お気を付けておでかけください。
悠久の水の流れ 飛鳥川
明日香村の中心を流れる飛鳥川は高取山を水源とし、飛鳥地方を貫流して大和川に流れ込みます。
現代では川幅は狭くなってしまった飛鳥川ですが、古代では水量豊かで流れが激しく、しばしば氾濫することがあったそう。
しかし古代から人々は飛鳥川を、生活と切り離せない大切な存在として愛してきました。万葉集の中にも数多く飛鳥川の登場する歌が残されています。
飛鳥川の飛び石で、万葉の世界へタイムスリップ
氾濫することが多かった古代の飛鳥川には、橋の代わりに石橋(飛び石)が設置されていたと考えられてきました。
稲渕集落を流れる飛鳥川には、現代でもこのような飛び石が設置されていて、誰でも渡ることができます。
飛び石の側には、万葉集11巻-2701番歌(作者不明)の万葉歌碑がたてられています。
“明日香川 明日も渡らむ 石橋の 遠き心は 思ほえぬかも”
「明日香川の石橋を明日も渡って逢いに行きましょう。私の心は飛び石の様に離れておらず、ずっとあなたを想っていますよ」
万葉集 第11巻 2701番歌/作者不詳
明日香村の中には、万葉歌碑が数多くたてられています。
飛び石を渡り、歌を詠みながら、古代飛鳥に生きた人々の生活や心の在り方に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか?
飛鳥川の源流域。雨乞いが行われた滝「女淵」
飛鳥川は源流となる三つの川が栢森集落内で合流して始まります。
源流となるのは、芋峠を源とする行者川、入谷集落に端を発する寺谷川、畑地区から細谷川。
そのうち、細谷川には「女淵」という滝があります。
「女淵」は飛鳥川の源流域にして、かつて皇極天皇が雨乞いの儀式を行った場所。
ここへ行くには、栢森集落から徒歩で向かうか、女淵へ向かう林道の入口に少し車を停められるスペースがありますので、通行の妨げにならないように駐車して短時間で戻るようにすると良いでしょう。
- 女淵へ続く林道の入口。入谷集落へ向かう道の途中にあります。
- 林道を進むと、左手に女淵への案内看板が。ここにも万葉の歌が記されています。
- 女淵へ降りる道や階段は整備されているものの険しく痛みがある場合もあります。十分ご注意を。
“高山(かくやま)ゆ 出で来る水の 岩に触れ 砕けてぞ思ふ 妹に逢はぬ夜は”
「天の香具山から湧き出て来る水が岩に触れて砕けるように、心が砕けたようだと感じられます。貴方に逢えない夜は」
万葉集 第11巻 2716番歌/作者不詳
林道から案内の通りに進むと、女淵へ続く渓流へと降りることができます。
ここはほとんど人の入らない山の奥。足元が悪く木の枝が落ちていたり、苔や泥濘で非常に滑りやすくなっています。濡れてもいい、滑らない靴を履いて、複数人で訪れると良いでしょう。
この記事を読んでいただいている方へ女淵の写真をお見せしたかったのですが、この日は筆者の単独での撮影でしたため、力不足・準備不足により滝の撮影まで至りませんでした…。
いずれリベンジすることができましたら、掲載させていただきたく思います…。
体力に自信のある方は、十分な用意をしてぜひご自身の目で女淵の滝を見に行ってみてくださいね!
女淵のさらに1.5kmほど上流へ進むと「男淵」という9mの滝も存在します。
女淵には龍の女神が、男淵には龍の男神が棲み、それぞれの滝壺は竜宮へつながるという伝説があります。
男淵へは女淵へ向かう林道をさらに進んでいくことで行くことができますが、女淵と違って下へ降りることはできません。お出かけの際は十分ご注意ください。
明日香村の夏を楽しもう!
アマゴのつかみ取りイベント開催
飛鳥観光協会主催のイベント。
毎年の夏休み期間の土日祝日に、大自然の中で清流にしかいないアマゴのつかみ取り体験イベントを模様しています。
また、捕まえたアマゴはイベント後に焼いたりてんぷらにして美味しくいただきます。
体験後も川遊びができる、ファミリーに大人気のイベントです。
イベント詳細・参加予約については、以下外部サイトをご覧ください。
明日香村でのツアーや体験イベントの予約サイト「旅する明日香ネットプラス」あまごのつかみ取り体験
あすかふるさと夏まつり
お盆の時期に行われる、大規模な夏休みイベント。
国営歴史公園の石舞台周辺で開催されて、花火大会とお楽しみ抽選会が行われます。
飛鳥夜市と呼ばれる屋台も店を開き、焼きそばなどの縁日でおなじみの食べ物や遊びを楽しめます。
ステージイベントもあり、例年ではチアリーディングや和太鼓などのステージイベントが行われました。体験ブースやヒーローショーも開催され、大人から子供まで楽しむことができます。
昨年は新型コロナウイルス感染防止のため、開催が中止となっていましたが、2022年の開催は…?
棚田・奥明日香のみどころマップ
今回の記事でご紹介した棚田・奥明日香のスポットや神社、飲食店などのご案内をGoogleマイマップにて公開しております。
観光の際の目安にどうぞご覧ください。
奥明日香を観光される方へ
奥明日香の集落は、明日香村の他地区の様な観光地ではなく、住民の方が暮らす居住地です。
特に田んぼや畑に無断で入ったり、迷惑駐車など近隣の方のご迷惑になる行動は絶対にお止めください。
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